書籍「ベビーサイン」の解説4.感情・感覚

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4.感情・感覚
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赤ちゃんも五感は育っています。その感覚や感情を伝える言葉は目に見えないことばですので、感じたことを言葉と結びつけるのは、なかなか難しいものです。でも赤ちゃんはお母さんの表情からしっかりその意味を感じとり、表情で返してくれています。表情豊かに伝えましょう。

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「おもしろい」のよちよち手話
おもしろい1

グーの両手でわき腹を交互にたたきます。

これは日本語の「お腹をかかえて笑う」という言葉からつくられたサインです。
おもしろくて笑う場面で使います。(興味を持つという意味の「おもしろそうだ」という時などに使うのではありません)
1歳以下の赤ちゃんには少し難しそうですが、本やテレビでおもしろくて笑っている場面などで、使ってください。

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「うれしい・楽しい」のよちよち手話

うれしい1

パーの両手を軽く胸に当て、交互に上下させます。

これは「うれしくて、楽しくて胸がワクワクする」ということから作られています。
まだハイハイができない赤ちゃんでも、嬉しい時は手も足もばたばたさせて笑顔や声とともに全身で表現しています。

この言葉を使うことができる経験をいっぱいさせてあげたいものです。

「三つ子の魂百まで」。この期間は特に寂しい、怖い、不安などの思いをさせないようにして、笑顔いっぱいの毎日を!
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「冷たい」のよちよち手話

冷たい1

グーの両手を左右に小刻みに震わせます。
身振りでもよく使います。
冷たい、熱いという感覚は、小さい子でもよく体験していることで早く覚えます。

感覚を表す言葉は体験して初めて意味を捉えることができますから、水に手を入れるとか、少し冷たい飲み物を頬にあてて「冷たい」を教えてください。このサインを覚えたサインっ子ちゃんは、スイカを食べて「つめた~い」のサイン。本当に可愛い仕草です。

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「熱い」のよちよち手話

熱い1

指先を下にしたパーの手をすばやく上にあげます。
身振りでもよくあらわしますね。耳たぶに手をもっていったりもします。

これも「熱い」体験をさせて教えてください。といっても火傷などさせないように。
お風呂に入るとき最初にお湯に手を入れると「熱い」と感じます。または少し熱めのお茶などを触らせて体験させてください。
熱くて危険なものに近づこうとする時、「ダメ!」だけでなく、「熱いよ!」と禁止の理由がわかる言葉をかけて注意することが大切、こんな時にも役立ちます。
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「寒い」のよちよち手話

寒い1

グーの両手を口元へもってきて、息で手を温めている様子です。
「冷たい」とほぼ同じと考えてください。
「寒い」とか「暑い」と伝えてくれると、服の調節がきちんとできますね。
暑つがっているのは、汗をかいていたりするので分りやすいのですが、寒いのかどうかは分りにくいですから、伝えてくれると助かります。(特に熱が出た時など)

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「暑い」のよちよち手話

暑い1

パーの両手を顔の横におき、風を送るように動かします。暑そうな表情も忘れずに。

赤ちゃんは暑がり、というより全身をいつも動かしているので、大人より汗をかくことが多いですね。暑そうな時にこのサインで「暑いね」と声かけしてください。
自分からこのサインをしてくれると、衣服の調節ができて助かります。

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「見えない」のよちよち手話

両手で目を覆う動作は「いないいないばあ」で早くから赤ちゃんに見せているでしょう。
この「いないいないばあ」は記憶力のエクササイズで、6ヶ月以前は目の前のものを隠されると、もうなくなったと思い、探したりしませんが、この記憶力が付くと隠されたものを探します。
短期記憶は6ヶ月で1秒、10ヶ月で5~6秒、1歳で10秒と本で読みましたが、実際子どもを見ているともう少し長いように感じています。
「いないいないばあ」はものごとを予測する力や記憶する力、期待する力を発達させます。
繰り返し、満足するまで遊んであげてください。

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「聞く」のよちよち手話

耳からいろいろな音が絶えず入っていても、「音は耳でなく脳で聞く」と言われるように、聴神経から脳にまできちんと入らないと「聞いた」「理解した」にはなりません。この時期にはいろんな音を入れてあげることが大切です。

「聞こえている」と思いこまず、きちんとこのサインを使って「聞く」ようにしてください。
遠くの鳥のさえずり、風の音、犬の鳴き声、パパのお帰りのチャイムと意識して聞くようにしましょう。そして何の音かを教えてくださいね。

例えばまだ見えていない車の音も、大人は音でトラックか乗用車かバイクかを判断できます。また音からそのスピードもある程度判断できます。道路への飛び出しにもかかわることですから、いろいろな音を聞いて判断できる能力のアップを促してください。

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「聞こえない」のよちよち手話

耳をふさぐ動作ですが、両手でもかまいません。
子どもが1歳すぎると自分の体を使って遊んだりします。アーアーと言いながら、口に手をトントン当てて声を出すと、自分の声がいつもと違って聞こえるので、ひとしきりこれで遊んでいる子も多いです。耳をふさぐと聞こえる声が違ってくるので、このことに気づいて遊ぶ子もいます。「聞こえる・聞こえない」を繰り返して耳の役目を教えましょう。


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